こんばんは。越後屋です。

 マレーシア新政府による汚職にまみれた旧政権からの脱却が着実に進んでいます。5月9日の総選挙でナジブ首相率いる与党連合・国民戦線に勝利し、イギリスからの独立以来60年ぶりとなる政権交代を果たした野党連合・希望連盟のマハティール新首相は公約通り、前政権時に導入した物品・サービス税(GST)を1日から廃止し、その歳入減の補填としてシンガポール間での高速鉄道計画を中止しました。また、「ナジブ政権時に政府系ファンドの1MBDへの返済として中銀に国有地を購入させ、売却代金を一部返済に充てさせた」との報道が伝わるなかで本日には任期途中のムハンマド総裁が辞任を発表するなど、旧組織の膿を出す作業が淡々と行われています。

 ただ、新政権への期待が高まるとともに先行きへの懸念も台頭しているとのこと。5月24日には政府債務がナジブ政権時に公表していた額を大幅に上回る1兆リンギット(約28兆円)に達していることを財務省が明らかにし、財政悪化懸念が浮上。格付け会社ムーディーズは「消費税廃止に伴う歳入減など先行きの格付けはクレジット・ネガティブ」と警告しました。また、GST以前に導入されていた売上税・サービス税(SST)を9月から一時的に採用するとも政府は発表しており、期間や税率などによっては国民からの批判が出る可能性があります。抜本的な改革を進める新政権の先行きを注視する必要がありますね。


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