こんにちは。越後屋です。

 トルコで16日に行われた大統領の権限強化などを目指す憲法改正の是非を問う国民投票では賛成51.4%、反対48.6%と僅差で賛成が上回りました。これでエルドアン大統領は名実ともに行政の長となり、最低でも2029年まで国家指導者の地位で実権を振るうこととなりましたね。この結果に対しては高等選挙委員会が投票開始後に公式なスタンプが押されていない投票も有効とみなすとしたことが不正であると最大野党の共和人民党が主張したほか、国際投票監視団は「ジャーナリストの逮捕やメディア閉鎖など反対勢力を押し潰したことが不適切であり、国際基準を満たしていない」と表明。一部地域ではデモや治安当局との衝突が起きるなど投票自体の合法性を疑問視・不服とする声が多数出ています。ただ、それに対してエルドアン大統領は「身の程を知れ」と一蹴しており、現実的には選挙のやり直しなど結果が覆される可能性は非常に低い状況。今回改めてエルドアン大統領の国民からの支持の厚さが確認でき、短期的な政局不安が後退したとの見方から外国為替市場ではトルコリラ高が進み、ドル・リラは3.6188リラまで急落したほか、リラ円は29.97円まで上昇する場面があったが、リラ高は長続きしていません。

 その背景には投票結果の僅差が同国の分断を表しており、先行きの不透明感が浮き彫りになったことや17日に非常事態宣言の3回目の延長を決めたことが重しとなっているとの見方もありますが、中銀に対する一層の政治的圧力への懸念が大きいと見られています。トルコ中銀は先月の会合で政策金利を現行の8.00%に据え置いたものの、実質的な上限金利とされる後期流動性貸出金利を11.75%に引き上げました。声明でも現状のインフレ高を懸念し、見通しによってはさらなる追加的な引き締め策を講じる構えを示しましたが、先月末に発表された消費者物価指数(CPI)は前年比で11.29%と2008年10月以来の高水準を付け、中銀のインフレ目標である5%から上下2%の範囲を大きく上回りました。止まらないインフレ上昇を抑えるために積極的な利上げを推進したい中銀に対して実権を握ったエルドアン政権による利下げ圧力は今後相当な影響を及ぼすことは必至であり、リラ相場の雲行きは怪しいですね。


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